ノベの

リノベエステイト

松山真介
1968年福岡県北九州市生まれ。九州大学芸術工学部卒業後、一級建築士・宅地建物取引士として活動しながら、2000年に「モノづくり・ウワサづくり・売上づくりのデザイン」を理念に掲げたクリエイティブカンパニー[アポロ計画]を設立。現在は、同社の中に立ち上げた中古建築の再生に特化した事業部[リノベエステイト]代表として、多数のリノベーションを手がけ、合わせて一般社団法人リノベーション協議会九州部会会長も務める。サウナ・スパプロフェッショナルの資格を有するサウナー。

明るい未来のために立ち止まらず常識を超えていく。

建築家として地球と人々の未来のために

 

築100年を超える家や再生建築が一般的に流通されている欧州のように、日本の建築や家づくりも変わる必要がある。その思いに突き動かされて、「リノベーション」という言葉があまり知られていなかった2000年に会社を設立。[リノベエステイト]といえば、オシャレなリノベをイメージする人も多いかもしれないが、一級建築士で代表の松山真介さんの原点は、建築家としての使命感にある。

 

だからこそ、機能性とデザイン性を追求しながらも、依頼主の未来、環境問題、社会情勢、建築と地域との関係性にまで踏み込み、それぞれの最適化にまで思いを巡らせる。幸い、リノベエステイトにリノベを依頼する施主の方々は、地球の未来や未来を見据えた家づくりにも関心が高い。低燃費を実現するための断熱改修にも、積極的かつ好意的だ。

 

近年は一般社団法人リノベーション協議会九州部会の会長として、同業者向けの勉強会を主導するだけでなく、個人向けのリノベーションセミナーなどでも講師を務める。リノベが広く知られるようになった今でも、価値をより高めたいという思いは強い。

 

海外で世界基準を体感 昨秋には自宅をリノベ

 

昨年秋には、断熱基準に厳しく、長年住み継がれている住宅が多いスイスやスペイン、ドイツなどを訪れ、最先端の住宅体工場を見学。行政関係者とも面会し、エネルギー問題や世界基準の住宅について意見交換した。

 

松山さんは「低燃費な家づくりは、日本のリノベ業界が課題にしているところでもあります。断熱改修をしなければ、工事費は安く収まりますが、光熱費代はずっと高いまま。ランニングコストとイニシャルコストを比較して、施主の方にきちんとお伝えすることも大事ですし、断熱のない家が健康に及ぼす影響についても丁寧に説明する必要があると思っています」と、リノベ会社として責任を果たしたいと話す。

 

[リノベエスティト]には光熱費の見える化ができる最新システムが導入されており、工事費と削減できる光熱費のバランスをシミュレーションした上で、住宅の性能アップを目指す。つまり、施主が主体的に断熱や住宅性能を決められる環境が整えられている。

 

松山さん自身も昨年、50代にして中古マンションを購入し、リノベを施した。「中古市場が拡大したことにより、リノベ済みの物件が多く流通されるようになっているとは思っていましたが、実際に私が買ったのもリノベ済みの物件です。

 

ただ、雰囲気は自分好みに変えたかったので、使える設備は使いつつ、表層や照明を変えて空間をカスタマイズしました。今後は、そのようなニーズが増えるでしょうね。いち費者として物件探しから購入、住宅ローン、助成金、リノベまで総体的に経験したからこそ、見えてきたものもあります。リノベーションコンシェルジュとして、体験もお伝えしたいですね」と松山さん。

Works File 01

人の流れを変えた 松山さんのフルリノベーション

 

松山さんが1964年完成のビルを購入したのは、2010年のこと。「BLDG64(ビルヂングロクヨン)」と名付けた古びたビルは、松山さんの企画、設計、デザインで見違えるほど生まれ変わり、この地に新風を吹き込んだ。現在、1階には話題のレストラン「TTOAHISU」が入居。2階は、施主とのミーティングで使っているショールーム兼ギャラリー。3階はシェアオフィス、4階はテナントオフィスが入居している。

BUILDER DATA

リノベエステイト
住所 | 福岡市中央区大手門3丁目12-12 BLDG64 2階
電話 | 092-406-8230
公式HP | リノベエステイト