OLDGEAR/有限会社ひまわり
- 浅野美咲(左)
- デザイナー
福岡県生まれ。九州産業大学生活環境デザイン学科安齋哲研究室卒業。住宅から店舗までリノベーション案件を数多く手掛け、お施主様の要望を細かくヒアリングし、図面に反映させ対話するスタイルを大事にしている。粘り強く対話しながらお客様の邸宅を作り上げていく強靭な精神力の持ち主。テコンドー三段。
- 杉佳亮(右)
- チーフデザイナー
福岡県生まれ。北九州市立大学経営情報学科卒業。大阪芸術大学建築学科卒業。産学連携での照明計画や東京藝大とのアート連携など、オルドギアだからこそできる暮らしの中の豊かさの提案を得意とする。モナコで食べた朝食の味が忘れられず、F1モナコグランプリを生観戦し再び朝食を味わう日を夢見ている。
良質なインプットを「至極の一邸」としてアウトプット。
世界にたった一つの建築作品を創る
住宅メーカーや不動産会社などが既存の住宅を買い取り、リノベーション済みの物件を販売する買取再販。今や多くの会社が参入するこの市場で、全国的に見ても独創的なプロジェクトを多数手がけているのが、1978年の創業当時から不動産再生事業に取り組んでいる、『有限会社ひまわり」のリノベブランド『オルドギア」だ。
「私達のミッションは、価値ある既存住宅の魅力を再発見し、新しい価値を付与する為のプロデュースです」と語るのは、チーフデザイナーで広報担当の杉佳亮さん。ともすれば遺産型に陥りやすい再販リノベで、オルドギアが貫くのは、世界にひとつの建築作品を創って販売するレディメードリノベーション。
全国約に活躍する建築作家や、アーティストとのコラボレーションをはじめ、固定観念に捕らわれない学生達のアイデアを取り入れた産学連携プロジェクトなど、大量生産とは真反対の「至極の一邸」をプロデュースすることで、後世に残すべきリノベーション住宅を生み出し続けている。
物件を見抜く審美眼とデザイン力を活かして
北九州市内の戸建やマンション、少なくともこれまで1万件以上の現地調査と資料精査を行い、資産価値の高い既存住宅のみを買い取ってきたオルドギア。その自身を表しているのが、販売から5年以内に何らかの理由で物件を手放さざるを得ない事情ができた時に、購入価格の7割以上で買い取り、次の住まい手への橋渡しを行う「5年間買取保証制度」だ。
この取り組みは、SDGsが掲げる「持続可能な開発目標」を実行するものとして、北九州市主催のアワードで、SDGs賞を受賞している。これまで、多くの再販リノベを手掛けてきた経験と、資産価値の高い物件を見抜く審美眼を活かし、今年から公に始めたのが、施主と創り上げるオーダーメードリノベーション。
「当社が行うオーダーリノベの魅力は、常時10軒以上はある販売中の再販物件が見学でき、リアルな間取りやデザイン、素材や工法などを確かめながら、プランニングできることです」と杉さん。
もちろん、ベースとなる物件が買うに値するかどうかを、シビアに判断してくれることも、購入者が安心できる点だろう。オルドギアがオーダーリノベを始めたのも、ブランドの立ち上げから8年が経ち、自社の若手デザイナーが育ってきたことも要因として大きい。その一人が、浅野美咲さんだ。
「日々お客様と接していて、今は目の肥えた方が多く、リノベに詳しい方も多いなと感じます。勉強させてもらうつもりでしっかりお話をお聞きしてデザインに向き合っています」と謙虚な姿勢が眩しい。
「リノベはこういうもの」という枠組みを軽やかに超越する瑞々しい感性は、日常的に古き良きものを愛で、建築家やアーティストとの交流により、インプットを怠らないからだろう。『オルドギア」が次に何を始めるのか、興味が尽きない集団である。
「Conversation Place」 物質、色彩、風景、書物、光 全ての要素と対話する場所
一級建築士・照明士である安齋哲さんの設計・デザインで、杉さん、浅野さんがプロデュースした物件。最上階で大きな開口部のある室内に、断熱材や内窓を設置し、住宅性能の向上にも努めている
「築後80年の美しき古民家」 四季の移ろいが彩りを添える いいものを残す古民家リノベ
大分県竹田市にある築後80年の古民家リノべ。福岡県からこの地に移住し、トマト農家として起業後10年を迎えた施主から「家族と一緒に腰を据えて暮らせる家」を依頼され実施した
BUILDER DATA
- OLDGEAR/有限会社ひまわり
- 住所 | 北九州市小倉北区三郎丸3-14-22
- 電話 | 093-922-6438
- 公式HP | OLDGEAR/有限会社ひまわり