4人家族の夢を叶えた里山の古民家リノベ
戸建て木造建築に精通した
建築士だから任せられる
畑に囲まれた集落の一軒家。焼杉と瓦屋根の佇まいが、周囲の環境にすっかり馴染んでいるN邸。「若い頃から都会に興味がなくて、ずっと田舎暮らしに憧れていたんです」とご主人。東京出身で、長く都市部で働いていたご主人が、家族の「帰る場所」に選んだのは、田舎町。縁あって購入した築80年の民家をリノベして、新たな居場所づくりをスタートした。設計施工を担当したのは、[イン&エムスクエア]の市﨑信寛さん。
「隣町に会社がありこの辺の風土に詳しいことと、たくさんの木造建築に携わって来られたのをみて、この人ならお任せできるなと感じました」。まずは、古き良きものを残しつつ、耐震改修からスタート。基礎をコンクリートで固め、柱をボルトで繋ぎ、断熱材を入れて補強していった。過去に増築されていた建物の北半分は、屋根の継ぎ目などが煩雑になっていたため、60坪を52坪に減築。建てられた当初に近い形に、間取りを整理していった。
大人4人の家族ということもあり、パブリックとプライベートがしっかりゾーニングされているN邸。建築当初からあった田の字型の和室4室を、玄関とLDK、多目的な和室に。かつて牛小屋として使用されていた納屋のあった部分に、それぞれの個室と水廻りを設けている。
里山の自然が身近にある
穏やかで豊かな暮らし
ホールをイメージしたという吹き抜けのリビングは、天井裏に隠されていた立派な梁を現わしにした、ダイナミックな空間。要所要所に活用した欄間や古い建具が、過去と現在を繋ぎ、独創的な空間を創り上げている。また、「段差を活かした」造りになっているのもN邸の特徴。ダウンフロアになったキッチンに立つと、南側のハイサイドライトからちょうど月が見えるのだそう。どこに立っても腰掛けても、開口部から眺める里山の景色が美しい。「夜はまた落ち着いた大人の雰囲気になっていいんですよ」とご主人。時を忘れるほど穏やかに過ぎゆく自然を身近に感じる暮らしだ。リクシルメンバーズコンテスト リフォーム部門 地域最優秀賞(九州1位)。
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- 施主さんへのQ&A
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リノベーションをして気に入っている点は?
奥さまの希望により実現した、高低差のある空間づくり。安全性や利便性だけを求めず、暮らしの中にリズムが生まれる、変化に富んだ住まいを求めた
- リノベーション情報
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- 設計:イン&エムスクエア
- 施工:イン&エムスクエア
- 築年:80年
- 竣工:2022年
- 延床面積:174㎡㎡
- 家族構成:4人
- 設計期間:5カ月
- 施工期間:11カ月
- 施工した工務店