高齢者がイキイキと
暮らせる賃貸住宅を

福岡を代表する温泉地・二日市にある築40年以上の木造２階建てアパートをフルリノベーションして、24時間見守り付き高齢者向け賃貸マンション『ガーデンヴィラ二日市』をオープンしたのは、福祉従事者のステータス向上や、人生１００年時代を元気に生きていくための支援活動を行なう、ＮＰＯ法人『なやまんと』。隣接地には、キャンピングトレーラー完備で車中泊が楽しめる『ＲＶパーク ガーデンヴィラ二日市』も同時オープン。

住民の家族などが訪れた際に、バーベキューやキャンプが楽しめるようにと計画が練られた。同法人の副代表で、看護師の小林理恵子さんは、元気な高齢者が住宅を借りづらい現状を受けて、「高齢の方々が、夫婦や単身でも安心して楽しく暮らせる賃貸住宅をつくりたかった」という。

小林さんたちと共に、昭和の古いアパートを、洗練された快適な住空間に蘇らせたのは、北九州市に本社を置くリノベ専門店［リノベスタジオ］。「リノベーションでここまで生まれ変わるのかと驚きました」と目を丸くする小林さん。「費用面でもリノベーションでなければ実現できませんでしたね」。

特にこだわったのは、それぞれの部屋の玄関前に設けたインナーバルコニー風のスペース。部屋の中心にクローゼットを配置し、全体を緩やかにゾーニングするアイデアは［リノベスタジオ］の提案。回遊動線で移動時間が少なく、車椅子などでも暮らしやすい造りとなっている。「周囲は自然に囲まれていて、隣接地にはローズガーデンなどもあります。風や鳥の声を聞きながら、穏やかに過ごして欲しいですね」。

核家族化が進む現代において、古くて大きな実家を維持管理していくのは困難になっている。子ども世代が遠方に住んでいることも多く、それぞれが安心して生き生きと暮らしていくために、こういったスタイルの住宅はさらに必要とされるだろう。そんな時に、リノベーションならば工事費を抑えられ、家賃帯も安く設定することができる。『ガーデンヴィラ二日市』は、リノベーションが社会課題の解決に活用に繋がるという好例のひとつと言えそうだ。