物件探しとリノベーションワンストップで依頼

母と姉妹が暮らすＹさん邸はいつも賑やか。しっかり者のお姉さんと天真爛漫な妹さんが遊ぶ姿を、お母様が優しく見守る光景は実に微笑ましい。Ｙさんはリノベーションを前提にこちらの中古マンションを購入した。

「以前から”与えられた場所“ではなく、自分の表現ができる場所で暮らしたいという思いを抱いていました。そんな時にコロナ禍になっておうち時間が増えるようになり、ますますその思いが強くなったんです。そこで福岡のリフォーム業者を探し、問い合わせたのがパワーハウスでした。実績のある会社でしたし、物件探しもお願いできることに魅力を感じて話を聞きに。担当の方がイチから丁寧に説明してくださる姿勢に信頼感を覚え、物件探しからすべてお任せしました」。

そうして立地や金額など条件に合う物件を探し、見つけたのが現在の物件。「築40年は経っているのですが、風通しが良く気の流れがいいと感じました。築年数が経っているのでトラブルもありますが、その都度パワーハウスの方がメンテナンスに来てくださるので安心できます」。

フラットな空間の中でも色使いでゆるくゾーニング

リノベーションを進めるにあたり、Ｙさんがオーダーしたのは主に２つの条件。１つは、お子さんがのびのび過ごせること。妹さんは小学１年生とあって、家の中を元気に走り回ることは日常茶飯事。

そこで、以前はダイニングと和室に分かれていたエリアをひと続きにして、全面フローリングのリビングダイニングに一新。フローリングの下には防音材を入れて、階下への足音対策も万全に行なった。

「以前は音が響く家で気を遣うことが多かったので、新居では子どもたちに窮屈な思いをさせたくなかったんです。そこでリビングだけは走ってＯＫと決め、のびのび過ごせる場所を作ってもらいました」。

お子さんたちが安心して過ごせるように、足元は段差を作らずフラットにしたこともこだわり。そんな中でも、空間をゾーニングする工夫がなされているのも特徴だ。リビングには窓側にコンクリート調のフロア材を取り入れてインナーバルコニーのようにしたり、廊下は玄関前でフローリングの色を切り替えたりして、視覚的に空間を分けている。

「床やクロスのテイストを変えただけで気分も変わるんです。同じ空間でも、場所によってメリハリを持たせることができました」。

アートを楽しむ工夫でわが家をギャラリーに

もう１つの条件が、アートが楽しめる家にすること。絵画や置き物といったアート作品が好きなお母様は、好きな作品を家のそこここに飾って楽しめるようにしたかったという。そこでリビングの壁にはピクチャーレールを取り付け、お気に入りの作家さんの絵画を飾れるように。ダイニングの一角にはパンチングボードを置いて、お子さんの絵や写真などを貼れるようにしている。

「美術館やギャラリーなどの絵画を飾る壁は真っ白にすることが多いと思うのですが、わが家の場合はあえて柄のあるベージュのクロスを選びました。もちろん、絵画を邪魔しない控えめの柄ですが、温かみのある雰囲気にしたかったんです」。

そんなアートスペースはキッチンにも。窓側の壁にユニークな形状のニッチを新設し、置き物を飾って小さなギャラリースペースにしているそう。「あまり料理が得意ではないのですが、キッチンに立ちながら好きな作品を見ることができるのでテンションを上げられるんです。上の娘からは実用的じゃないって怒られたんですけどね（笑）。でも、こういう空間も大事だなと思います」。

以前は壁付けタイプだったキッチンは、ダイニング側に移動して新しいものに取り替えた。窓の横にはニッチを新たに設け、癒しの“ミニギャラリースペース”に
 

アートが似合うすっきりとした空間にするために大容量のパントリーを確保し、リビングや廊下にも収納スペースを設置したこともポイントだ。

今では飾る作品を一つひとつ選ぶ時間が楽しみになったというＹさん。リビングにはアート作品と一緒に、お子さん２人の写真も大切そうに飾ってあった。まさに〝自分の表現〟ができるようになった家で、お子さんたちとのかけがえのない時間を楽しんでいるようだ。